<ビーチバレー:JVAシリーズ湘南藤沢大会兼ビーチバレージャパン>◇第1日◇15日◇神奈川・鵠沼海岸

 田中麻衣(31)鈴木千代(20)組が、A組2位で予選を突破した。田中は大手航空会社の客室乗務員で、27歳の夏から始めたビーチバレーと仕事を両立。今季から始まった同シリーズの最高成績5位の更新を目指し、今日16日の準々決勝に臨む。

 田中は前日夕方、米ロサンゼルスから約12時間のフライト業務を終えて帰国した。午後8時ごろに帰宅し、朝は6時起床で大会に参加した。時差ぼけや疲労からか、試合中に両足のふくらはぎがつる場面もあったが、得意のサーブで相手の守備を崩すなどして2勝1敗で予選突破。「休憩中も太ももがつって。3試合こなせてよかったです」と苦笑いした。

 1カ月に9日前後ある客室乗務員の仕事の休日を利用し、練習している。両立は厳しいはずだが「練習や試合の前日にフライトはよくあります。好きでやっていること。きついとは思わない」と言う。鈴木とのペアで日本ランク8位。「トップ選手と同じところでやれるし、高いところに手が届くかもしれないという思いがやりがい」と話した。

 短大時代はサークルでバレーボールを楽しんでいた。ビーチバレーを始めたころは「タイミングも触り方もインドアバレーとは違った」と戸惑いもあったが、負けず嫌いの田中には悔しさが原動力だった。「結果を残したい、勝ちたい」。4月のお台場ビーチバレーでは優勝した。

 今季から始まったJVAシリーズではここまで13位、5位、5位と4強進出がない。「決勝トーナメントで勝てるようになることが目標です」。今日の準々決勝に勝ち、自己最高位の更新を目指す。【岡崎悠利】

 ◆田中麻衣(たなか・まい)1983年(昭58)8月12日生まれ。広島市出身。小4からバレーボールを始める。安古市高3年の夏から1年間米国に留学。関西外国語短大卒業後の05年から大手航空会社の客室乗務員。175センチ、58キロ。

 ◆JVAシリーズ

 男女ともに今年から新設された2人制の国内最高峰ビーチバレー大会。JBV(日本ビーチバレーボール連盟)選手登録ランクが、2人制では最上位のSクラスであることが参加資格。6月27~29日の南あわじ大会で開幕し、10月17~19日の坂大会まで全5戦。湘南藤沢大会は第4戦。