11年連続17度目出場の山形中央が「内弁慶」の汚名を返上する。花園では3年連続1回戦負け。4年ぶりの初戦突破を狙う松本栄監督(41)は「昨年までは手堅く戦いすぎて負けた。今年は逆にする。いつも県予選後に『対全国』の手堅い戦法を教えるけど、今年はミスを恐れず積極的に攻撃する練習だけ繰り返している」と反省を生かす。

 今年は先発15人のうちラグビー経験者が5人だけという「タレント不足」(松本監督)のチーム。FW陣は平均体重79・5キロで前年(同82・6キロ)を下回り、80キロ台も割った。だが新チーム結成以来、体をぶつけ合う練習を毎日取り入れ、接点で競り負けない意識を浸透させた。夏合宿では5日間で8試合をこなすなど足りない試合勘を養った。

 キーマンはNO8の武田勇真(3年)とFBの横尾直人(3年)。松本監督が「武田は確実に前進させる安定感を持つ。横尾はチーム最速の足(50メートル6秒4)とプレーの幅広さが武器」と信頼する2人の出来が生命線になりそうだ。

 1回戦の相手は関西(岡山)。鬼門を突破すれば、2回戦でシードの西陵(愛知)と当たる。同校の山田和正監督(41)は、松本監督と日体大ラグビー部の同級生。初戦と同期対決を連破すれば、目標の「元日花園」(3回戦)に手が届く。【木下淳】