<ラグビー・トップリーグ:NEC29-17ヤマハ発動機>◇最終節◇9日◇秩父宮ラグビー場

 ヤマハ発動機がNECに敗れ、過去最低の9位で今季リーグ戦を終えた。4連敗中の苦手NECの猛攻に序盤から防戦一方。開始1分で先制トライを奪われると前半30分にはSO大田尾竜彦(27)が右ひざを痛めて途中退場。さらにフランカー串田義和(29)が、ラフプレーで一時退場処分となる間に2トライを奪われ、突き放された。16日に、日本選手権出場権のかかる「ワイルドカードトーナメント」1回戦(大阪・近鉄花園)で、8位のコカ・コーラウエストと対戦する。

 屈辱のノーサイドの笛に、ヤマ発フィフティーンがうなだれた。プレーオフ圏内の4位だった昨年12月12日の第10節から、まさかの4連敗でリーグ戦が終わってしまった。「勝ちに行った試合で、この結果。悔しい気持ちでいっぱいです。負けたら終わりの次からのトーナメントで勝ち上がるしかない」。山村亮主将(28)が、自分に言い聞かせるように話した。

 立ち上がりの出遅れがすべてだった。試合前まで11位と後のないNECの気迫に圧倒されて、開始1分27秒で先制された。ゴール前まで攻め込んでも、相手の激しい守りに阻まれ、前半は無得点に封じ込まれた。

 後半からやっと反撃を開始。左右に大きく展開して、WTBの辻井厚之(29)と中園真司(23)が相次いでトライ。10-22まで盛り返し、逆転ムードも芽生えたところで、こぼれ球を相手に奪われての独走トライで勝負あり。「うちの流れが来たと思ったのに…。あそこから乗っていけないのが弱さかな?」と辻井が悔しがった。

 試合前の6位から、3チームに抜き去られて9位で終戦。敗れても「1試合4トライ」か「7点差以内の惜敗」でボーナスの「勝ち点1」を得ていれば、得失点差で6位のままだっただけに後味は悪い。「簡単なところでボールを奪われたのが敗因。でも、チャンスはつくれていた。来週の練習でしっかり準備したい」とケビン・シューラー監督(42)が、苦渋の形相で再起を誓った。【大石健司】