大相撲時津風部屋の序ノ口力士、時太山(当時17、本名斉藤俊さん)の暴行死事件で、傷害致死罪に問われた元親方山本順一被告(58)の公判が26日、名古屋地裁(芦沢政治裁判長)であり、執行猶予付きの有罪判決が確定した当時の兄弟子(25)が山本被告に対し「自分がやったことを正直に話してほしい」と声を掛ける一幕があった。

 兄弟子は証人として出廷した尋問が終わると、芦沢裁判長に「ひと言だけいいですか」と申し出た。兄弟子は被告人席に座る山本被告に顔を向け「斉藤さんの遺族に対して本当に申し訳ない気持ちがあるのなら、自分がやったことや弟子たちにやらせたことを正直に言ってほしい」と話し掛けた。

 しかし山本被告は手を前に組み、目を閉じたままで深いため息をつくだけだった。退廷する兄弟子と目を合わせることもなかった。