大相撲の野球賭博問題で、時津風親方(元幕内時津海)、幕内豪栄道(大阪府出身、境川部屋)、幕内豊響(山口県出身、境川部屋)らが日本相撲協会に野球賭博に関与したことを認める上申書を提出していたことが18日、関係者の話で明らかになった。

 また既に警視庁の事情聴取に対し、野球賭博にかかわったことを認めている大嶽親方(元関脇貴闘力)、週刊誌で関与が報じられている幕内豊ノ島(高知県出身、時津風部屋)も、関与を認める上申書を提出していたことが分かった。角界を揺るがす野球賭博問題は、さらに大きく深刻な広がりを見せている。

 豪栄道関と豊響の師匠、境川親方(元小結両国)は18日午前、「捜査の都合上、相撲協会に一任しているので、私からは何も言えない。詳しいことはこれからになる」と話した。また相撲協会によると、新たに名前の出た親方、力士から事情を聴く予定は決まっていないという。

 この5人は、野球賭博にかかわって7月の名古屋場所の出場辞退を決めた大関琴光喜(愛知県出身、佐渡ケ嶽部屋)と以前から親交が深いことで知られている。

 時津風親方は2007年6月に時津風部屋で起きた序ノ口力士暴行死事件によって先代師匠が相撲協会に解雇されたことを受け、同年10月に現役を引退して継承した。

 豪栄道は埼玉栄高時代に高校横綱に輝いた24歳。昨年夏場所に新関脇となり、期待の日本人力士として注目されている。25歳の豊響は迫力のある突き、押しで三賞を3度受賞している。

 警視庁が捜査に乗り出している大相撲の野球賭博問題では、相撲協会の実態調査で29人が関与を申告。同協会は21日に理事会と、賭博問題の調査チームの第1回会合を開くことにしている。