<大相撲秋場所>◇5日目◇18日◇東京・両国国技館

 今度は笑顔だった。

 西前頭3枚目の嘉風(32=尾車)が連日、NHKのインタビュー室に呼ばれた。

 前日は横綱日馬富士(30=伊勢ケ浜)に土をつけたものの、自身のまげをつかまれた反則によるもの。「殊勲でもないのに」「言葉にできない気持ち悪さがある」と複雑だった。

 だがこの日は、過去2勝13敗と分が悪い大関琴奨菊(30=佐渡ケ嶽)に左を差させず、動いて翻弄(ほんろう)。タイミングの良い引き落としでバッタリと手を突く大関を、涼しい顔で見届けた。インタビューを終えて支度部屋に戻ると「超気持ちよかった。今日は苦手な大関にいいところが出た。気持ちよくインタビューしてもらった」と破顔した。

 新大関豪栄道(28=境川)と合わせて、これで1横綱2大関を破った。迎える6日目は結びの一番で、横綱白鵬(29=宮城野)に挑む。「これまで出来過ぎとは思っていない。1日1日、やりたいことがやれているんで」と話した後、報道陣に「なんでやれているかって聞いてもらっていいですか」とお願いした。問われると「マットレスが良くて、良く寝られているんで!」。前日同様、化粧まわしを締める高級マットレス「マニフレックス」の宣伝を欠かさなかった。