元関脇高見山の東関親方(65)が15日、日本相撲協会を定年退職した。力士約20年、親方約25年。相撲界を去る15日も、同親方は86年2月に自ら創設した東関部屋(東京・墨田区)のけいこ場で弟子たちを約2時間半、「しこを踏め」「もっと下から強く当たれ」などと厳しく指導した。

 けいこ後、生まれ育ったハワイに伝わる「シャカ」のポーズを取り、記念撮影した東関親方は「いつもと変わらなかったけど、昨日から緊張してましたね」とぽつり。東関の名跡と部屋を継承する小野川親方には「教えてきた10の心で、強い力士を育てて欲しい」とエールを送った。

 「これから何と呼べばいいでしょうか?」と尋ねてきた平幕高見盛には「ナベさんでいいよ」と言い、目を細めた。16日から「渡辺大五郎」となる東関親方。定年後も部屋と兼用の自宅には住み続け、時にはけいこ場に下りるという。【柳田通斉】