<大相撲初場所>◇9日目◇18日◇東京・両国国技館

 関脇把瑠都(25=尾上)が、大関琴欧洲(26)との1敗対決を制した。203センチの相手に対して、198センチの把瑠都は、右四つで頭をつけ、最後は両差しを許しながらもパワーで寄り倒した。これで1横綱3大関を破り、勝ち越しの8勝目。優勝争いの台風の目になった。成績次第では大関昇進の声もかかりそう。白鵬(24)朝青龍(29)の両横綱も1敗を守った。

 巨漢把瑠都が低い体勢で、身長で5センチ上回る琴欧洲に頭をつけた。浅く取った左上手が生命線だった。「いいところを取れた。相手の腰が立ってしまっていた」。巻きかえにきた琴欧洲に両差しを許したが、両上手をがっちりつかんで寄り、1敗対決を制した。

 「突っ張ろうと思ったけど、まだ型ができていないからやめました。低く踏み込もうと思った。自然に頭をつけられた」。同部屋には191センチの山本山、188センチの境沢と長身関取がいる。九州場所14日目に北勝力(188センチ)に頭をつけて寄り切り「できるじゃない」と思ったという。それが、大事な一番で自然にできた要因だった。

 横綱白鵬と3大関を破った。秋場所12勝したが、九州場所では9勝に終わり、大関とりの話題は消滅していたが、快進撃に再燃しつつある。武蔵川理事長は「審判部で協議すること」とした上で「優勝でもしようなら(ムードが)変わってくるかもしれない」と話す。

 大関の声に把瑠都は「その場その場だけど頑張らないと。もう1人、横綱(朝青龍)が残ってますね。楽しみですよ」と、しっかりと視界にとらえているようだった。【赤坂厚】