日本ハムでたたえたいのは救援陣。もつれそうなゲームをしっかりと沈静化させた。特に宮西の登板した7回は、直前の攻撃で満塁の走者が残塁し、嫌な流れになりかけた場面。経験のあるリリーバーほど、試合の雰囲気を感じ取りやすい。その中で3者凡退に抑えたことが、石川直、秋吉の好投にもうまくつながっていった。

6回に西武中村に満塁弾を浴びた上沢は、カウント1-1からすばらしいフォークで空振りを奪って追い込みながら、裏をかいた直球勝負が“表”になった。球種の選択自体が悪いとは思わないが、まだまだ投手有利のカウントで、コースも高さも狙って投げられる状況だった。

今季の上沢は、追い込んで、打ち取る準備を整えていながら、アウトを取り急ぐ傾向がある。前回登板した4月29日のソフトバンク戦でも、カウント1-2と追い込んでからの4球目スライダーが甘く入り、デスパイネにフェンス直撃の適時打を許し、その後降板している。中村の満塁本塁打もそうだが、どういう意識で、どこに投げようとしたのか。もう一度確認して、次の登板に向かって欲しいと思う。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)