開幕戦から13連勝で、菅野が節目の100勝を決めた。疲れのせいか、9月下旬ぐらいから少し状態は落ちているが、今季の菅野はまさに“全盛期”を感じさせる投球が続いている。そう感じさせる最大の要因は、真っすぐの威力だろう。

得点差を広げて迎えた6回表1死、前の打席で二塁打を打たれた佐野にはカウント3-1から内角の直球を2球続けて一ゴロ。同じく前の打席で2ランを打たれたロペスにも、フォークで空振りを取った後に内角直球で遊直。菅野というと本格派投手というイメージがあるだろうが、実際は制球力が抜群のスライダーを軸にする投手だった。しかし今シーズンは、この試合のように直球の制球力がよく、威力もある。勝負どころで直球でねじ伏せる投球が多くなった。

偉そうに評論していいのか確認するため、試合前に現役時代の対戦成績を調べてもらった(笑い)。21打数8安打(打率3割8分1厘)。菅野との対戦では「俺が打たなければ勝てない」と、とにかく燃えたのを覚えている。打席ではカウントを取りに来るスライダーと、勝負どころで投げてくるシュート狙い。球審に判定に不服なときなど感情が出やすいタイプで、マウンド上での表情を注目していた。球種にヤマを張るタイプではなかったが、何でもかんでも打ちにいって打てるほど、甘い投手ではなかったからだ。

そんな私でも、今季の菅野は打つのは、難しかっただろう。対戦していた頃はトップが高い位置に収まる前に上半身が突っ込み、やや体の開きも早かった。しかし今季は改善され、シュート回転する直球が減って威力が増し、制球力もよくなっている。だからフォークもよく落ちるようになっている。

コロナで開幕が遅れたのも、開幕からの連勝記録に好影響を及ぼしているのだと思う。力投派だけに暑い夏場にばてるが、疲れのたまる時期が暑さが軽減する9月下旬ぐらいにずれている。残りの先発は4試合ぐらいだろう。無敵の菅野を打ち砕くバッターの出現を期待している!(日刊スポーツ評論家)