阪神青柳対策で広島ベンチは左打者を並べた。初スタメンの宇草は初ヒットに初盗塁も生まれ、得点につながった。ワンチャンスをものにしたことは自信にしてほしい。前の試合まで1番で出場した大盛も代打本塁打でアピールした。チーム内で若い選手が競争すれば、チーム力の底上げになる。

先発の九里が2試合連続で素晴らしい投球を見せた。打者の胸元に強いボールを投げきり、決め球のフォークボールがさえた。彼の良さを引き出したのは坂倉のリードだ。打者が遅いボールに気持ちがあるとみれば、直球を使い、その逆もあった。打者の反応をしっかり見ていた。会沢のケガから出場機会が増えて、経験を積み、そういう配球ができるようになった。

その一方でケムナは3四球で相手に流れを渡してしまった。初スタメンの林も守備のミスがあった。ただ単に若手を使えばいいのではなく、勝ちながら育てる。育てながら勝つ。これは難しいことだ。経験を積ませないと若手は育たない。ミスをして経験を積みながら、成長していくもの。これが若手を使うということだ。こういうリスクもあるが、若手の活躍はチームに勢いをもたらしてくれる。いかに戦力として育てていくかがカープの宿命だ。ミスをした選手は下を向くのではなく、次のチャンスをつかむアピールをしてほしい。(日刊スポーツ評論家)

広島対阪神 7回裏広島1死、代打大盛は右越え本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
広島対阪神 7回裏広島1死、代打大盛は右越え本塁打を放つ(撮影・加藤哉)