10勝目を挙げた秋山(撮影・加藤哉)
10勝目を挙げた秋山(撮影・加藤哉)

巨人の優勝から一夜明け、阪神はDeNA戦に大勝した。これで今季の阪神は唯一巨人にだけ負け越したことになる。

吉田 この1勝が来シーズンに向けての第1歩と思っています。混戦を予想したが、優勝争いをすることができなかった。宿敵巨人の優勝が決まる瞬間まであきらめていなかっただけに残念です。何が評価される世界かというと勝つことですわ。秋山の10勝は評価できるし、打点をあげた大山も頼もしい。個々の能力でいえば巨人と遜色がないと思ってるんですがね。

今季の対巨人は8勝15敗で9年連続負け越し。前回勝ち越したのは07年(14勝9敗1分け)までさかのぼる。

吉田 これは大きなカベです。巨人に勝てないのはね。原監督のコロナ過での起用法、手腕が取りあげられるが、若手を引き上げて世代交代を成功させた。これが坂本、丸、岡本の柱と絡んだ。例えば巨人吉川尚の内野守備は入ってきたときはそれほどとは思わなかったが、今年は成長をみせた。阪神の若手も負けてませんで。でも失策数が示すように昨シーズンと同じ轍(てつ)を踏んでしまっている。

今季は巨人の39失策に対し、阪神はセ・パ両リーグワーストの80失策。昨季から守備力アップの課題は積み残された。

吉田 わたしに言わせれば球際にもろく、球を操るんじゃなく、操られてしまっている。内外野にいえることですが、教えるほうの指導力は必要ですね。それと限定した助っ人の獲得もありです。巨人に勝つために今オフから来春キャンプにかけての選手たちの過ごし方、チーム編成は非常に大事です。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

5回表阪神1死満塁、大山は中前2点適時打を放つ(撮影・浅見桂子)
5回表阪神1死満塁、大山は中前2点適時打を放つ(撮影・浅見桂子)