佐藤輝の鳴り物入り入団、新外国人ロハスの加入でプロ6年目の高山にとってはいよいよ勝負がかかるシーズンでしょう。見方によっては「ピンチ」という状況かもしれません。でも私は逆に「チャンス」では、と思っています。

このキャンプ、打撃の状態は良さそうです。この日の紅白戦でも2安打を放ちました。3回の中前打は追い込まれてからの外側の球を軽打。7回の右二塁打は制球難に苦しむ佐藤蓮が初球、頭の上に投げてきた後、次も見逃せばボールのような内角球を引っ張った。いずれも天才肌の高山ならではという打撃でした。

「今年はチャンス」というのは起用される機会が増えると思うからです。昨年までなら糸井か高山かという選択になった場合、正直、やっぱり糸井かなという結論になっていたと思います。しかし今季は高山の状態さえよければ、将来を見据えても高山が先に選ばれると思うからです。

佐藤輝は間違いなくいいものを持っています。しかし走攻守すべての部分で今季のレギュラー争いに加われるかどうかはまだ分かりません。はっきり言えば「プロはそんなに甘くない」という感じもします。

そう考えれば近本は決まりとして次の外野手として高山、ロハスの順番で名前が上がる可能性があります。さらにロハスはコロナ禍による状況で合流が遅れる方向。そうなるとキャンプ、オープン戦を通じて高山が頑張っていけば開幕戦で「3番高山」の名前がスタメンに並ぶかも。そう考えれば、やはりチャンスです。

紅白戦 7回裏白組無死、高山は右線に二塁打を放つ(撮影・加藤哉)
紅白戦 7回裏白組無死、高山は右線に二塁打を放つ(撮影・加藤哉)