広島に連勝して乗り込んできたが、DeNAには完敗だった。ガンケルの投球内容は不調とは思わなかったが、警戒すべき1番桑原、3番佐野、4番オースティンの3人に要所で打たれてしまった。

1回の佐野に打たれた逆転2ランは、もともと内に入ってくるボールに強い打者に体の軸回転で打ち返された。3回のオースティンに浴びた2点本塁打もうまくヒジをたたんで痛打されてしまった。

阪神が1回2死三塁からマルテの二遊間へのゴロで先制したのも、DeNA柴田の緩慢なプレーで1点が入った。マルテの全力疾走は見逃せないが、普通にいけばその1点もなかったはずで、やはり完敗だ。

「対今永」の打線は、全体的にずっと狙い球を絞りきれなかった。チーム状況でいえば、近本、中野の1、2番が好調を保っているだけに、いかにその後でかえすかだったが、クリーンアップに差がでた。

オーダーの流れでいうと「3番」はポイントになる。11日の広島戦で2安打を放っていたサンズだが、試合ごとにヒットは出ているが、打撃内容としてはストレートに差し込まれる状態が続いている。

1回は1死三塁で内角直球に見逃し三振。5回2死一、二塁の場面は、初球をファウル後、ボール、空振り、ファウルと3球続けてストレートで攻められた。チェンジアップをはさまれ、2-2からの6球目も沈む球を打たされて三ゴロだった。

この時点ではまだ3点ビハインドだが、6回のガンケルがDeNA桑原の左前タイムリーで追加点を許したのが痛かった。7回に2番手馬場がオースティンに浴びた3ランは、四球から崩れるいつものパターンだ。

阪神はしぶとく戦うことができているし、こういったいいとこなしの1敗はあきらめもつく。ただ14、15日のヤクルトとの2試合は落としたくない。特にオスナ、サンタナの両助っ人は要注意。敵の勢いを止めるためにも、できるだけミスを少なく、そつのない野球で対抗したい。(日刊スポーツ評論家)

DeNA対阪神 水分補給する阪神矢野監督(撮影・清水貴仁)
DeNA対阪神 水分補給する阪神矢野監督(撮影・清水貴仁)