V奪回を目指すソフトバンクに大きな「意識変化」を感じ取った。日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(52)が藤本新体制の2022年シーズン船出に向け、今までにないチーム一丸を強調。世代交代と王座奪還という大きな課題を背負ってスタートする新生ホークスを打撃編、投手編の2回にわたってお届けする。【取材・構成=佐竹英治】

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今季はソフトバンクが誕生して18年目のシーズンとなる。王ダイエー時代から引き継がれてきた常勝の機運は失っていない。いや、それ以上に今季に懸けるナインの「変化」を浜名氏は敏感に感じ取った。

浜名氏 藤本監督の就任にあたって、選手たちから今までにない発言が出た。「監督を男にする」「秋には胴上げをする」…。柳田をはじめ、何人も選手たちが昨秋から何度も口にした。野手だけでなく、投手陣の口からも出ていた。王さん、秋山さん、工藤さんの時代にもなかった。今季への意識が大きく変わった証拠。「優勝したい」ということは言っても、こんな言葉はこれまで聞いたことがなかった。

昨秋、7年間指揮を執った工藤監督が退任。藤本新監督が就任した。投手出身の工藤監督から打者出身の藤本監督となり「得点力アップ」をさらに強化する姿勢を見せている。

浜名氏 藤本監督は昨秋のキャンプで、いい悪いをはっきりと言っていた。楽しみな選手は誰だとか、誰々はここが足らないとか。褒められても、叱咤(しった)されても、選手は名前を挙げられるとうれしいもの。2、3軍の監督もやっていたし、選手を全体的に把握しているのは大きい。野村に自らノックを打ってもいた。新鮮な感じを受けたし、野村以外の選手も「おっ」と思ったはず。

今季はV奪回と世代交代という2つの大きな課題がある。

浜名氏 藤本監督は現時点でのレギュラーは柳田、栗原、甲斐の3人だけと明言した。言い換えれば捕手以外の内野のポジションは未定。厳しい生存競争となるが、シーズンを通して外野を含め5つのレギュラー確定は難しいと思う。だからこそ選手たちの「アピール合戦」が戦いの中でどうプラスに作用するか。そこがカギになる。

特に内野手は激戦が予想される。新外国人のガルビス、新人の野村勇(NTT西日本)も加入した。

浜名氏 内野のポジションが4つも空いているというのはあり得ないことだが、得点力アップを目指すだけにキャンプ、オープン戦を通して「打ったもの」が開幕レギュラーをつかむと思う。「走る」「守る」だけじゃ定位置は取れない。首脳陣からすれば早くレギュラーを確定させたいだろうが、各ポジションの競争激化でチーム力の引き上げを図ることになる。春季キャンプで実戦を早めるのも、そんな意図があるのだろう。シーズンを通してどれだけチーム内の「激戦」を演じられるか。浮沈のカギはそこにある。