昨年もキャンプ初日はオリックスからスタートし、衝撃的だった宮城の充実のブルペンを見た。今年もどんな発見があるのかと、初日にオリックスキャンプ地の宮崎・清武に足を運んだ。

ペナントのフラッグが掲げられる中、キャンプ初日を行うオリックスナイン(撮影・和賀正仁)
ペナントのフラッグが掲げられる中、キャンプ初日を行うオリックスナイン(撮影・和賀正仁)

オリックスは連覇がテーマになる。最下位からリーグ優勝し、真価が問われるシーズン。昨季は11月まで目いっぱい戦ったのだから、今まで経験のない疲労を抜きつつ、調整にも一層気を使う日々だろう。吉田正は大阪居残り、杉本はB班での別メニュー。ということでネクスト(次世代)を狙う若手に注目した。内野手では4年目太田、外野手では2年目来田のバッティングが印象に残った。

オリックス来田涼斗(2021年9月撮影)
オリックス来田涼斗(2021年9月撮影)

来田はコンパクトなスイングを意識してセンター返しをしつつ、時折引っ張る打球には力強さがあった。ただし「もう試合に出られるな」と思わせるほどではない。主力と同じペースでの仕上がりが気になった。

若手は主力がいてもいなくても、どんどんアピールしなくてはならない。オリックスは昨年の優勝でメンバーを固定化しつつある。控えからすれば、今こそアピールしないと、この固定化の流れの前に、一生控えに甘んじることになる。

初日最も目を引いたのは、福田と育成3年目の平野大だった。センターの定位置をほぼ手中に収めている福田が、ミスショットの少ないバッティング。もっとゆっくりの仕上げ方でもいい立場の福田が、これだけの調整ぶりを見せたところに、確実に定位置をつかみ、さらに上を目指す意欲を感じた。

平野大もしっかり振り込んできたのがよく伝わってくる力強いスイングだった。鋭い打球で柵越えもマーク。早い段階で支配下登録もあり得るほどのバッティングだった。(日刊スポーツ評論家)