阪神が完敗を喫し、両リーグ最速で借金10に到達した。13試合消化時点での2ケタ借金はセ・リーグ球団では初の屈辱となった。

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収穫は2年ぶりの出場となった高山俊外野手(28)。広島森下から中前打を放ち、スタメン出場へアピールの一打となった。日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(68)が解説した。

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阪神は投打がかみ合わず早くも借金10を抱え込んだ。秋山が不調で大量失点を食らうと、打線も反発力を欠いた。

真弓 秋山はコーナーを狙った投球が少しずつ外れて苦しんだ。打たせてとるタイプだが、広島サイドからするとボールが先行するから、早打ちにならず慌てることなく狙い球を絞ることができた。逆に序盤から援護を受けた広島森下は、阪神打線の淡泊さもあって自分のペースに乗ることができた。投打の相互関係とは不思議なもので、それがかみ合わないと苦しい展開になってしまうということだろう。

2回は坂倉の中前打と犠打で1死二塁、7番堂林の左二塁打で先取点を許した。続く上本の飛球を佐藤輝が後ろに下がってヒットにすると、一、三塁から森下にスクイズを決められた(記録は野選)。西川にも左前適時打で、まんまと3点をリードされた。

真弓 勝っていれば目立たないが、それぞれのプレーに焦りを感じる。チーム全体がやるべきことを、ちゃんとやることだ。佐藤輝も1打席目の左飛は差し込まれていたが、左方向に本塁打を打てるのは、相手にとっては脅威だ。ヒットの延長がホームランぐらいの姿勢でいけば長打は生まれる。

5回1死から1軍に昇格した高山が代打で登場して森下の1ストライクからのカーブを中前に運んだ。

真弓 打線が森下の緩いカーブにてこずっているところを、高山はそのカーブに反応し、うまく打ち返した。チームとしては勢いをつけるのに、こういう一打を大事にしたいから、高山のスタメン起用を考えてもいいだろう。岩貞も好投だったし、リリーフ陣の整備さえできれば、まだ巻き返すことができるはずだ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対広島 5回裏阪神1死、代打高山は中前打を放ち一塁上で防具を外す。一塁手はマクブルーム(撮影・加藤哉)
阪神対広島 5回裏阪神1死、代打高山は中前打を放ち一塁上で防具を外す。一塁手はマクブルーム(撮影・加藤哉)
阪神対広島 5回裏阪神1死、代打高山は中前打を放つ。投手は森下(撮影・加藤哉)
阪神対広島 5回裏阪神1死、代打高山は中前打を放つ。投手は森下(撮影・加藤哉)