初物に弱い、それも技巧派の外国人投手になると、巨人打線はもろさが出てくる。ウィルカーソンは狙い球を絞らせないピッチングだった。抜いてくるチェンジアップが有効で、それを狙うか、真っすぐに絞るかの選択になるが、チームとして徹底できなかった。

微妙にボールが動いてくる球筋に見える。こういう投手にはコンパクトに振ることが大事で、この日の打線では吉川にその意識が感じられた。少しでも長くボールを見る。これが大切で、そのためには逆方向への意識の比重を高める。この加減が難しい。

吉川は空振りする時は強引さが目立つが、それでも追い込まれてから食らい付いて行く姿勢は見えた。1番打者として役割を果たしており、チームは連敗も、吉川の好調さはチームにとって救いと言える。

岡本和の体調が回復して4番に戻ってきた。ここから、また新しい気持ちで攻撃面での弾みをつけたいところだ。そのためには、1番から5番までと、6番から8番までが途切れている点が気になる。6番以降が機能しないと打線としてかなり苦しい。

私の時は駒田が活躍し「恐怖の7番打者」と言われ、下位打線でも侮れない存在感があった。そうそう簡単にはいかないが、こういう時に広岡、若林、立岡、松原などがどんどん存在感を示してほしい。

巨人の若手は常に競争を課され、松原のように昨年結果を残しても、まだ定位置は奪えないこともある。それだけ層も厚く厳しいが、ここから抜け出さないと生き残れない。

シューメーカーは安定して試合を作った。6回を自責1なら十分という内容だった。(日刊スポーツ評論家)

阪神対巨人 8回表巨人無死、中前打を放つ吉川(撮影・河田真司)
阪神対巨人 8回表巨人無死、中前打を放つ吉川(撮影・河田真司)