阪神は負ければ再び二桁借金だったが踏みとどまった。オリックスは青柳を攻略できず、自軍のミスにつけ込まれて崩れた。

山田 両軍とも1回と5回以外は内容の乏しい一戦だった。お互いの攻防だが阪神は2死から敵失に付け入ることができた。一方オリックスは「あと1死」にこぎつけながら、一瞬スキをみせてやられた。中5日の青柳は前回登板(4日対日本ハム)と比べていい出来ではなかった。序盤のオリックスが球数を多投させる攻撃をしていたから、1-0のまま後半までもつれれば苦しくなるとみていた。そこを5回の阪神が打ち崩したというより、もらったビッグチャンスをモノにすることができたのが大きかった。

阪神は5回2死から中野が右二塁打、近本の三ゴロを宗が悪送球で一、三塁になった。続く4番佐藤輝三ゴロも再び宗の失策で1点。5番大山が山崎福の1ボールからの高めチェンジアップを左越え3ランで突き放した。

山田 オリックスにとっては、まさかの宗のエラーだった。大山を迎えた場面で山崎福からの継投もありかなと思った。だがベンチの心理を読むと、打たれてのピンチではなかったから非情になれない心境も理解ができる。だから動けなかった。ただ1ついえるのは、このゲームは相手先発が青柳であることを考えれば2点が限界だった。そのチャンスに大山がよく打った。山崎福も警戒しながら投げていたがドンピシャリだ。ちょっと前までは佐藤輝だったが、今の阪神は大山頼みといえる。

両チームにとって残り2試合になった交流戦は今後の巻き返しに向けて大切になった。

山田 青柳の中5日はセ・リーグとの試合が再開する17日のDeNA戦に配するためで、先発ローテーションを組み直して臨むのだろう。それに続く投手が焦点になってくる。またオリックスはなんとか勝率5割に戻したい。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】