今試合に限定して言うなら、僅差のゲームであり、それなりの見応えはあった。しかし今後の“上がり目”という点で見てみると、5位のDeNAに対し、2位にいる巨人には不安ばかりが目についてしまった。

6月18日の中日戦で打球を受けて戦列を離れていたアンドリースが久しぶりの先発だった。これまでも再三指摘しているように、クイックモーションを苦手にし、右打者の内角を突く投球も苦手。そして3回の打席では、送りバントも失敗。来日してからの数カ月で、突然うまくなることはあり得ないが、全くと言っていいほど、上達していない。それどころか、日本の野球を理解し、きちっと練習しているようにも思えないレベルだった。

この試合で特に気になったのが、右打者の内角に投げられない点。外角に投げるカットボールやスライダーはそれほど悪くない。だったら得意球を生かすためのレベルアップが必要だろう。4回にはソトに外角寄りのチェンジアップをホームランにされた。泳いで打った1発で、もし「内角にも投げてくる」と思わせていたら、ホームランにならずにすんでいたか、空振りを取れていたかもしれない。

イニングの合間にはベンチで桑田コーチと話しているが、一体何を話しているのだろう。私なら「右打者の内角に投げろ」と注意する。とてもにこやかな表情で話せる余裕はないと思う。

5回1失点は合格だが、内容からみれば「奇跡的な結果」とも言える。弱点を克服させ、安定してローテーションに入ってほしいし、もっと長いイニングを投げられるようにして中継ぎの負担を減らしてほしい。間隔を空けて先発する投手が、5回しか投げられないようでは困るからだ。

開幕してから、巨人の投手陣で調子を上げてきている選手がいない。もちろん、疲労がたまって調子を崩す投手はいるが、フォームのメカニックを修正したり、レベルを上げて調子を上げてくる選手もいるもの。しかし、そういう選手がいないのだから、練習方法やコンディションの作り方、指導法を考え直さないといけない。

私はコーチ時代、中継ぎ投手の試合前のキャッチボールを禁止にした。試合の何時間も前に投げる必要はないし、何よりも肩の消耗を軽減させたかったからだ。始めのうちは選手とコミュニケーションをとりながら観察した。選手にも不安があったようだが、慣れさえすれば気にならなくなったようだった。結果もよくなっていった。

同じ方法を実践しろとは言わないし、言う立場でもない。今試合でも1点とはいえ、負けている試合で高梨を投げさせないようにするなど、負けている試合は無理をさせない工夫をして球数を減らす方法もある。力のない投手が登板過多になれば、余計に結果はでない。投手陣の立て直しに向けて打開策を講じなければ、ズルズルといってしまう予感がある。(日刊スポーツ評論家)

巨人対DeNA 1回、ランナーを背負いながらも無失点に抑えた巨人の先発アンドリース(撮影・たえ見朱実)
巨人対DeNA 1回、ランナーを背負いながらも無失点に抑えた巨人の先発アンドリース(撮影・たえ見朱実)