日本ハムの投打のヒーローについて、まずは上原健太投手が8回無失点と好投した。もともと左打者に被打率の高い投手で、その要因の1つとして内角の直球が非常に少なく、その分、打者が外寄りに目付けをしやすい。そこが打たれている要因だったが、この日は捕手の梅林と初めて組んだと思うが、うまく左打者の内角を使っていた。左打者の詰まるシーンが見られ、振り遅れたファウルを取れていたことが、ホークス打線を抑えるきっかけになっていた。

中盤以降は効果的に左打者にもチェンジアップを使ったり、フォーク、チェンジアップの割合を増やし、相手打線を翻弄(ほんろう)できていた。ただ単に変化球を投げるのであれば相手も対応するが、しっかり腕を振って変化球を投げ切れたことが8回まで抑えられた要因だった。

清宮幸太郎内野手は、東浜のカットボールと秋吉のスライダーを本塁打にしたが、いずれも左打者にすると自分の方に食い込んでくる球で、甘い球だったとはいえ、体の近くにバットを通さないと、なかなかさばけない。もともと打撃の柔らかさは持っていたが、打席を重ねることで変化球に関する対応もできてきて、打席内での読みを働かせて打っているので、技術と考え方の両方が少しずつ合ってきている感じに思える。

来季30本くらいの本塁打を期待したい選手なので、球宴明けの後半戦で10本塁打はノルマくらいに思っている。そのくらい残せなければ来季につながるものがないくらい、ハードルは高いが期待したい。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対ソフトバンク 8回裏日本ハム2死一塁、清宮は右越え2点本塁打を放つ(撮影・佐藤翔太)
日本ハム対ソフトバンク 8回裏日本ハム2死一塁、清宮は右越え2点本塁打を放つ(撮影・佐藤翔太)