阪神はこれで5カード連続で、カードの“頭”をモノにした。

吉田 巨人はしんどいですわ。阪神は巨人に勝ち越すことが優勝の条件と宿命づけられたことがあったが、もはや“打倒巨人”ではない。球威に欠いた菅野の不調が、そのまま巨人の低迷を示している。両軍の実力差で顕著なのは、四球数に表れている。

ここまでの四球数は、阪神の345個(リーグ1位)に対し、巨人240個(同5位)で105個の差がある。

吉田 V9時代の巨人の強さは「ボールを振らない」という伝統にあった。それをチームに厳しく植え付けたのは川上哲治監督の功績だ。今は阪神がそれを実践している。2回は四球、3回は死球が得点に絡んだ。いずれも近本、中野の1、2番が機能した。特に3回はピッチャーの西純が2死から適時打を放ち、近本の三塁打も長野が捕球できていただけに与えたダメージは大きかった。

3点リードの8回裏は1点をかえされ、なおも無死一、二塁から馬場が岡本和に左中間二塁打を放たれた。2者生還で追いつかれたと思いきや、阪神からのリクエストで判定が覆った。

吉田 あそこでセーフがアウトにひっくり返るのも岡田の勢いだ。岡本の打球を処理した近本からの返球を受けた木浪の梅野へのこれ以上ない送球だった。守備力の勝利でもあった。木浪はフィールディングにも自信をつけている。ここのところの大山の好守も見逃せない。

8回1死一塁、森下が左の高梨から初めての右越えになる4号2ランを放った。結局は1点差勝ちで価値ある一撃になった。

吉田 森下は思い切り良く振れるのが魅力だ。これから広島がどこまで追い上げてくるかだが限界があるとみる。ここにきて阪神から独走気配が感じられるようになってきた。【取材・構成=寺尾博和編集委員】