野球にミスは付きものではある。それでも「許せるミス」もあれば、「許せないミス」もある。その中でも最悪なのは、「許せないミス」を繰り返すこと。ここまで言えば、この日の巨人-阪神戦を見ていた人は、私がどのプレーを指摘するかお分かりになるのではないか。巨人ブリンソンのミスは、「いいかげんにしろ!」と怒鳴りつけたくなるようなものだった。

試合は巨人グリフィンと阪神ビーズリーの投手戦だった。5回裏1死、ブリンソンの打球はセンターへ上がった。本人はホームランだと確信したのだろう。打球を見上げながら歩き、そしてゆっくりと走りだした。しかし、打球はフェンスの上段に当たってグラウンドに跳ね返ってきた。当然、二塁には間に合わない。楽々と二塁打になる当たりがシングルヒット。風も吹かない東京ドームでは、救いようのないボーンヘッドだと断言できる。

なぜ、いつもいつもボーンヘッドを繰り返すのか? ブリンソンの後ろにいた鈴木一塁コーチの顔を見て、納得した。走塁コーチであればなおさらだが、厳しく注意するわけでもなく、怒りの表情もなかった。外国人選手に遠慮しているか、甘やかしているとしか思えなかった。

試合中に厳しく注意すれば、萎縮してしまう選手もいるだろう。本来なら試合が終わった後に注意すればいい。それでもブリンソンに限って言えば、この手のボーンヘッドを何度も繰り返している。普通のやり方では通じないのであれば、やり方を変えなければいけない。コーチの怠慢だと言っていい。

このプレーの後、2死一塁から中山がレフト前ヒット。試合を見ている誰もが「ブリンソンがちゃんと走っていれば点が入ったじゃないか」と思ったはず。しかもブリンソンは試合に出続けた。接戦で守備力を考えれば、秋広の交代は仕方ないのかもしれないが、代わらなければいけないのはブリンソンだと考えた人は多いだろう。

7回1死からグリフィンがノイジーに四球を出した時にも、投手コーチはマウンドに行かなかった。このような流れの時、四球を出した投手の落胆は大きい。ひと間、空けるべきだった。ミスを犯したブリンソンに関しても、その後のフォローをどうするのか、周りが考えなければいけない。コーチ陣のフォローがなっていない。試合はもつれて延長戦に入り、阪神に逆転負け。8月の終盤戦に入って、まだこのような試合をしているようでは、とても優勝はできないだろう。(日刊スポーツ評論家)

巨人対阪神 5回裏巨人1死、ブリンソンは中堅への打球を見つめる。投手ビーズリー(撮影・滝沢徹郎)
巨人対阪神 5回裏巨人1死、ブリンソンは中堅への打球を見つめる。投手ビーズリー(撮影・滝沢徹郎)
巨人対阪神 11回表阪神1死満塁、梅野の中ゴロの打球をキャッチし、三塁へ送球するブリンソン(撮影・狩俣裕三)
巨人対阪神 11回表阪神1死満塁、梅野の中ゴロの打球をキャッチし、三塁へ送球するブリンソン(撮影・狩俣裕三)