阪神は広島に敗れ、カード負け越しで優勝へのマジックを減らせなかった。それでも2位に対して、7ゲーム差と首位の座は盤石だ。阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(70)は先を見据えた首脳陣の戦いを評価し、選手に対して「よりプレッシャーをかけてほしい」と今後に向けて提言した。

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目の前の試合を勝つのは一番大事だが、監督、コーチは優勝までの戦い方を考えておかないといけない。マジックが点灯したからといって、ガツガツ勝ちにいって、7、8、9回を投げる投手が疲弊してもいけない。そういう点では、リリーフ陣のコンディションを考慮しながら起用し、これまでの守りを中心とした野球を貫く姿勢がみえる。今シーズンは大きな連敗がないが、今後も大崩れはしないだろう。

今季は、試合終盤に競り勝つ展開が目立つが、救援陣の奮闘とともに、ポジション固定による守備力の向上が大きく寄与している。特に目を引くのは一塁を守る大山の守備範囲の広さだ。ポジションを固定した成果が表れている。例えば、この試合では4回に好捕した菊池の送球を一塁堂林がグラブに当てながら捕れなかった。レギュラーとして固定されている選手なら捕れた送球だ。こういうところに違いが出てくる。それを考えると、佐藤輝が2戦連続で先発から外れたが、岡田監督は打撃不振を理由にしてではなく、守りで自信を失っているから外したと推察する。

最近の佐藤輝は守備のミスが目立つ。調子の上がらない打撃に気持ちが行き過ぎている面があるかもしれない。一時は下半身主導の打撃フォームで復調の兆しを見せていたが、継続できていない。とはいえ、三塁固定されて実質1年目のシーズン。ここを乗り越えれば、守備はうまくなる。この日は不慣れな小野寺を三塁で起用したが、経験のある糸原はあくまで代打のカードで置いておく。チームの「型」を崩さない岡田監督の考えがみえる。

広島に敗れ、7ゲーム差となった。首脳陣は先を見据えて戦っているが、選手に対しては提言がある。優勝が決まるまでには、必ずヤマ場が1つ2つある。今の時期から、「この試合に勝たなアカン」と自分によりプレッシャーをかけながら戦ってほしい。。今、気が抜けているという意味ではない。今後、嫌でも1試合1試合で緊張する場面に直面する。優勝争いしているチームは、緊張感を持った戦いを続けることで、さらに強くなっていく。