阪神が、まさかの敗戦でマジックが消滅した。
2点リードの9回、守護神岩崎優投手(32)が3番佐野に中堅フェンスオーバーの同点2ランを被弾。4番牧にも左翼への勝ち越しソロを浴び、逆転負けとなった。
2位広島が巨人に逆転勝ちしたため16日に「29」が点灯して以来、「21」まで順調に減らしてきたマジックが消滅した。
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今シーズン16度目の逆転負けはセ・リーグ最少とはいえ、“まさか”に変わりはなかった。9回に岩崎が3番佐野に同点2ラン、4番牧に勝ち越し本塁打で打ち崩された。
山田 ちょっと勝負を焦ったかなという感はあったが、これまで完璧だった岩崎もやられる時はある。ただ追い越されてはいけなかった。元来がどんどんストライクをとりにいくタイプだが、佐野、牧もさすがだ。岩崎に代わるピッチャーはいないわけで仕方がなかったと片付けるしかないだろう。ただ優勝争いをしているチームだけに、勝てるゲームは確実にとっておきたかった。なぜなら阪神を追いかけるチームを“その気”にさせてしまうからだ。
阪神は8回から代わったウェンデルケンから坂本、ミエセスの適時打で均衡を破った直後、あっという間にひっくり返された。
山田 広島とのゲーム差を考えれば、なにも慌てることはない。長期ロードで大きく勝ち越した阪神の戦いに安定感が出てきた要因を探していたが、それはキャッチャー坂本の存在感ではないだろうか。この一戦は土壇場でひっくり返されたが、坂本の緊張感を感じさせない、ピンチに強い配球は、俗にいう“縁の下の力持ち”といえるかもしれない。高めにどんどんいくリードではないが、両サイドに振り分けながら、そして緩急を駆使する。ヤクルト中村を思い起こすかのようで、ピッチャーを引っ張っているのが大きい。
ただ、同じ関西の京セラドーム大阪では、広島が巨人に逆転勝ちを収めたことでマジックは消滅した。
山田 もはや広島以外のチームが阪神に追いつくのは考えづらい。その広島に「いけるかも」という雰囲気にさせてしまったとしたら、やはり痛い1敗といえるのかもしれない。
【取材・構成=寺尾博和編集委員】




