現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(55)が試合をチェック。2点リードの9回に登板して逆転サヨナラの黒星を喫した湯浅京己投手(25)の投球に見える疲労を指摘。2日連続逆転負けの阪神は「痛すぎる1敗」と分析しつつ、投打3選手が見せた奮闘もたたえました。【聞き手=松井清員】
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阪神は痛すぎる1敗になりました。前日は桐敷が打たれて、絶対に勝ちがほしかった西武との2戦目。初先発の伊藤将が好投して、6回に森下が先制打、9回には佐藤輝がほぼダメ押しの1発と、これ以上ない試合展開に持ち込んでいました。ここで2日連続、勝利の方程式が崩れての逆転負けは、ショックが大きい。
湯浅は真っすぐのキレも含め、良かった時の状態には戻っていないと思います。難病を克服し、投げられる喜びで腕を振ってきたと思いますが、疲労は隠せません。ボールは正直です。岩崎も1死満塁からでは厳しい。藤川監督は9回の1イニングを湯浅と岩崎の2人で、と考えていたのかも知れませんが、石井不在の穴も感じさせる黒星です。
2軍で苦闘してきた伊藤将に白星をつけられなかったのも痛い。チームが負けたことで“良い投球をした”止まりになってしまう。真っすぐは戻っていないけど、7割ぐらいがファーストストライクの丁寧な投球で術中にハマらせました。層が厚い先発陣に加わるために、絶対結果を残さないといけない気概が伝わりました。勝ちがついていれば最高の良薬になったはずです。
伊藤将と並んでほめたいのは3、4番です。6回に先制打を放った森下はその直前、渡辺に内角高めの直球にのけぞるような形で空振りさせられました。でも次に内角にきても、絶対に腰を引かないで打つぞと強い覚悟で踏み込み、外角にきた真っすぐを中前に運びました。9回の佐藤輝は、ウィンゲンターの外寄り高めの真っすぐに右手の甲をぶつけるように本塁打。左手を使うとヘッドが走らないけど、この打ち方ならヘッドが走って飛ぶ。最高の打ち方を実践しました。
最悪のムードを一掃するためにも、西武との3戦目はどんな形でも勝たないといけない。交流戦の大事なヤマ場。総力戦です。(日刊スポーツ評論家)




