追い込まれた日本ハムだったが、ここで満を持してエース伊藤が流れを変える。もし、ここからもつれる展開になった時には、伊藤-田宮のバッテリーがソフトバンク打線を翻弄(ほんろう)したことがターニングポイントだったと感じる内容だった。

序盤、伊藤は田宮のサインに何度か首を振った。立ち上がりの傾向として、変化球で追い込み、最後は真っすぐ勝負という図式だった。これは、伊藤の真っすぐに強さがあり、それにソフトバンク打線が対応しきれていない側面があった。

そこを伊藤は強気に攻め、まだ経験が浅い田宮の配球を補完した。その流れは中盤以降は大きく変わる。2巡目以降にさしかかると、コンビネーションのパターンを、変化球と真っすぐのミックスで追い込み、最後は変化球。6回の川瀬、栗原の連続三振などはその典型。そこは田宮の配球の狙いと、伊藤との呼吸がうまくかみあった。

ソフトバンクは連勝してきたが、伊藤の真っすぐへの対応を見ていると、ややタイミングがズレているように感じる。初戦達、第2戦福島、そしてこの日の伊藤と、いずれも真っすぐに強さがある。特に、この日の伊藤は、制球という点でもほぼ田宮の構えたところに正確に投げており、質という点で、ソフトバンク打線は対応しきれなかった。

短期決戦は、ひとつの出来事で流れが変わる。2010年のロッテはソフトバンクに1勝3敗と後がない状況で、好投大隣が降板し、ロッテ打線が勢いを取り戻し、そこから3連勝した。

この試合、立ち上がり無死一塁で、海野はパスボールで走者の二進を許した。これが初回先制点を与える大きなワンプレーとなった。上沢もこのシリーズ外角を高確率で打ってきたレイエスに対し、内角低めを狙ったツーシームが、真逆の外角高めに外れ、痛いソロを浴びている。

チャンスを作りながら得点できなかった日本ハムが、前半で2点をリードしたこと、伊藤の好投を考えると、大きく流れは日本ハムに傾いたと感じる。第4戦の先発は北山。伊藤と同じく、真っすぐの強さが特徴だ。ソフトバンク打線の反応を見る限り、北山の真っすぐにどうアジャストできるか、そこが大きなポイントになりそうだ。

伊藤が無失点に抑えたことがすべてだが、真っすぐを軸に押し切ったことで、ソフトバンク打線の勢いはどこまでそがれたか。第4戦の見どころがより分かりやすくなった。(日刊スポーツ評論家)

ソフトバンク対日本ハム 4回裏ソフトバンク2死三塁、野村を三振に仕留め、ほえる伊藤(撮影・加藤孝規)
ソフトバンク対日本ハム 4回裏ソフトバンク2死三塁、野村を三振に仕留め、ほえる伊藤(撮影・加藤孝規)