日本ハムが23年春に開業予定のボールパーク(BP)「Fビレッジ」の建設現場を、北海道出身のタレント本郷杏奈(29)が訪れた。執筆中の本紙コラム「#lovefighters」でも垣間見せるチーム愛をあふれさせながら、新球場に「あったらいいな」という施設を女子目線で大提案。バラエティー番組で開花させた才能全開に、独創的な案が次々と飛び出した。

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予備知識は十分だった。東京で芸能活動をする本郷だが、日本ハムファンの両親からは、定期的にBP建設現場の写真が送られてくる。「敷地が広くて、球場の周辺にもいろいろなものができるのは楽しみですよね」。クレーンが立ち並ぶスケールの大きな光景に、完成後を思い描いた。

高校卒業後は、観光系の専門学校に通った。CAを目指していた。「ちょっと、英語ができなかったので…」。苦笑いで、断念した理由を明かす。だが観光科で学んでいたときの血が騒いだか、BPにあるとうれしい施設を女子目線で次々に提案した。

(1)「豪華パウダールーム」 野球観戦で長蛇の列ができるのは、グッズショップでも飲食店でもなく、女子トイレ。個室の数が多いことはもちろんだが、本郷の案はさらに先を行く。「メーク直しができるスペースがあるといいですよね。女性っぽい豪華な感じで。選手が愛用している香水が置いてあったりすると、ファンはうれしいですよね」。人気選手のプレーを、その選手の“匂い”に包まれながら観戦。女子ならではの提案は、さらに続く。

ボールパーク「Fビレッジ」を訪れるタレント本郷杏奈
ボールパーク「Fビレッジ」を訪れるタレント本郷杏奈

(2)「選手からあなただけに届くメッセージ」 特別なシートを購入したファンへ、入場ゲートで渡されるのはヘッドホン。「選手が実際にセレクトした曲が流れるんです。その選手の打席とか、打ったときとか…」。打球音や応援、歓声が聞こえなくなりそうだが…。「そうですよね。私も話しながら、何言ってるんだろうと思ってきました(笑い)」と少し腰が引けたが、このプランには続きがある。「その日の“当たり”の席には、選手から直接メッセージが届くんです。声で」。大好きな選手から、自分だけに届く言葉。それも耳元で。これは女性ファンにはたまらないだろう。人気のシートになりそうな気がしてきた。

ボールパーク「Fビレッジ」を訪れるタレント本郷杏奈
ボールパーク「Fビレッジ」を訪れるタレント本郷杏奈

(3)「デート気分を味わえる撮影スポット」 現在の札幌ドームでは、コンコースの壁や柱に貼ってある選手パネルとツーショットを撮るのが定番だが、本郷のアイデアは奇抜だ。「選手が実際に乗ってる車と同じ車種を置いて、運転席に選手のマネキンを座らせます。そして隣に座って写真を撮るんです」。マネキンではリアリティー不足も心配されるが、精巧なろう人形、もしくはバーチャル映像などで現実感が増せば、人気スポットになること間違いなし。「…無理ですよね」。実現へのハードルが高いことは心得ているが、選手の愛車でなければ可能に思える。…まぁ、そこがポイントではあるのだが。

ボールパーク「Fビレッジ」を訪れるタレント本郷杏奈
ボールパーク「Fビレッジ」を訪れるタレント本郷杏奈

(4)「オリジナルレストラン」 食にもこだわる。「北海道といえば海鮮だと思うんです」。魚介盛りだくさんのシーフードレストラン? いやいや、本郷はそんな単純な発想はしない。「釣り堀をつくって、実際に自分で釣った魚をさばいてくれるレストランってどうですか?」。知人の誘いで海釣りにも出掛ける本郷ならではのアイデア。釣った魚をすぐに食べるのは格別。「私、全然触れないんですけどね(笑い)」。魚は“釣る専門”で、さばけない。そんな女性も多いだろうが、シェフがいてくれるなら不安はない。道外から観戦に来るファンにも貴重な体験となりそう。さらに、全国の球場によくある「選手メニュー」にも本郷流。「選手の『おふくろの味』をメニューにするんです。みなさん出身地も違うし、それぞれ家庭の味があると思うので」。飲食店で家庭の味を出すという斬新さ。

ボールパーク「Fビレッジ」を訪れるタレント本郷杏奈
ボールパーク「Fビレッジ」を訪れるタレント本郷杏奈

(5)「球場目がけてナイスショット」 最後は球場外の施設。「打ちっぱなしとかできたらいいですね。広いので。野球を見に来る年代の人たちはゴルフも好きな世代だと思うので」。練習をしてからスタジアムへ。もしくは野球観戦後に、興奮そのままにゴルフスイング。これは女子目線というよりは、オジサン世代にもウケそう。現在ベストスコア118の本郷も、BP開業時にはさらに上達しているであろうか。

バラエティー番組での言動から「日本一の恥ずかしがり女子」と命名されたこともある本郷だが、今回は“堂々と”自信を持ってオススメした5つの案だった。


◆本郷杏奈(ほんごう・あんな)1991年(平3)10月17日生まれ、北海道出身。趣味はランニング、旅行、ドライブ。特技はお菓子作り、たこ焼き早焼き、スポーツ。血液型O。DVD「AN-NA」、ファースト写真集「Touchハート」発売中。165センチ。

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昼時、空腹を感じながら北広島市内の道道46号沿いを歩くと「らーめん北の丸」を見つけた。多くのメニューの中から鶏がらしょうゆらーめんを注文。何度飲んでも飽きないあっさりしたスープを飲み干してしまった。

小学生の男の子を3人持つ店主の小鷹宗博さん(41)はボールパーク完成が待ち遠しい様子だ。「球場、その周りにもいろいろ施設ができると聞いていますから、行ってみたいですよね」と期待を膨らませる。

18年11月にオープンした当店。ランチの時間帯になれば、建設作業員をはじめ市内外からの客らで混み合うという。小鷹さんは「ファイターズが来るということもあって、これからもっと盛り上がっていくでしょうね。試合前後に来てくださればありがたい」と話していた。【山崎純一】

北広島市内にある「らーめん北の丸」おすすめの鶏がらしょうゆらーめん(撮影・山崎純一)
北広島市内にある「らーめん北の丸」おすすめの鶏がらしょうゆらーめん(撮影・山崎純一)
北広島市内に店を構える「らーめん北の丸」(撮影・山崎純一)
北広島市内に店を構える「らーめん北の丸」(撮影・山崎純一)