9日、オリックスの試合前に、隣でぶつぶつカタカナをつぶやく人がいた。「間違えないようにしないといけないですから」。そう美声で話すのは、京セラドーム大阪でスタジアムMCを務める平野智一さん(40)だ。

 この日、新外国人のマレーロが1軍昇格。ロメロ、モレルと外国人野手が3人制となった。チーム内でもっぱら話題なのが、名前が似ているということだ。

 ロメロ、モレル、マレーロ。文字で表記するとそうでもないが、英語風に音読すると「ロメ~ロ」「モレ~ル」「マレ~ロ」。うん、確かにややこしい。相手の中日には「ゲレーロ」もいる。ごちゃ混ぜになって「マレール」「モレーロ」なんて新外国人が誕生しちゃあ困る。平野さんは予行演習をしていたのだ。

 「集中していきます」と臨んだ本番。かつてサッカーJ2時代の鳥取でスタジアムDJも担当した平野さんは、マレーロの本塁踏み忘れという“事件”も起きた試合で、無事にプロの仕事をやり終えた。【オリックス担当 大池和幸】