「おにぎり君」が存在感を放っている。2年目の日本ハム横尾俊建内野手(24)が好調だ。8月27日楽天戦(Koboパーク宮城)でのプロ初アーチを皮切りに9月12日楽天戦、13日ロッテ戦(ともに札幌ドーム)で2戦連発。本塁打後に三塁をまわりながら愛称の名付け親、白井内野守備走塁コーチ兼作戦担当とともに両手でおにぎりを握るしぐさの「おにぎりポーズ」で喜び合う姿がほほえましい。スタンドでもお手製のおにぎりグッズを手に声援を送るファンが増えてきた。

 ただ、本人はこの「おにぎりポーズ」にまだ照れがあるようだ。プロ初本塁打を放った試合後、今後も本塁打を打った後はおにぎりポーズを続けていくのか聞いてみた。「すしポーズ」でおなじみの昨季本塁打王レアードのようにパフォーマンスとして定番化していくのか確認したかった。だが横尾は「あれは白井さんが(ポーズを)やっているので…白井さん次第です」と冷静だった。実は自ら率先してポーズを決めているわけではなさそうだ。12日に大谷と立ったお立ち台でもインタビュアーに披露をおねだりされても「もうちょっと打ったらでお願いします」と断っていた。

 まじめで素直な性格だ。白井コーチとの守備練習中、捕球から送球のリズムを「『よいしょ、どっっこいしょ』や!」と指導されると「よいしょ、どっこいしょ」と声に出しながら実践していた。そんな実直さが結果につながっている。もしかしたら本人は「おにぎり君」と呼ばれることにも抵抗があるかもしれない。それでも横尾が握る「おにぎり」に期待してしまう。【日本ハム担当=保坂果那】