若手の育成に定評があるソフトバンクで、新たな育成左腕が2軍で頭角を現そうとしている。ルーキー長谷川宙輝(ひろき)投手(19=聖徳学園)だ。

 今年育成ドラフト2位で入団。19日のウエスタン・リーグ、オリックス戦で2軍戦デビューを飾り、ここまで3試合、3回無失点、6奪三振と結果を残している。

 高校時代の最速は144キロ。高3夏は西東京大会3回戦で姿を消したが、1試合20奪三振を記録したこともあるドクターK。プロ入り後、球速は最速149キロまで上がり、しなやかなフォームから繰り出す直球は大きな武器となっている。

 「プロに入った時は(支配下でないことが)悔しかったが、育成じゃなかったら球速はこんなに伸びなかったと思う。今は自信を持って直球が投げられている。150キロも出したい」

 倉野投手統括コーチも「育成なのが信じられないレベル。(来季に向けての)強化指定選手の1人」と高く評価。長谷川宙は今年の目標を「2軍戦1試合登板」と掲げていたが、倉野コーチは「(CS前の)紅白戦でもチャンスはある」と、異例の1軍練習抜てきの可能性も示唆している。

 若手左腕では今季、笠原、笠谷が1軍で登板したが、来年は長谷川宙にも十分チャンスはありそう。1軍を目指すファームの若手左腕争いは、来年も白熱しそうだ。【ソフトバンク担当=福岡吉央】