中日のドラフト戦略がガラッと変わった。

 1位こそヤマハの即戦力右腕鈴木博志投手(20)だったが、2位に青藍泰斗・石川翔投手(17)、3位に滝川二・高松渡内野手(18)、4位に花咲徳栄・清水達也投手(18)、5位に伊藤康祐外野手(17)、6位には市西宮・山本拓実投手(17)を指名。来季、5人の高卒ルーキーが加入する。

 最近では高校生の指名は投手、野手でそれぞれ1人というかたちが多かった。10月26日のドラフト会議当日、中日の指名を目で追いながら、5人という多さに少し驚いた。しかし、覚悟の表れなんだと感じた。

 ドラフト前はよく中田宗男スカウト部長に話を聞くことが多かった。「ふたを開けたら即戦力を取ることになるかもしれない。だけど、ぶれないように心に言い聞かせないと、何も変わらない。ここ数年で分かった」。5年連続Bクラスと低迷を続けるチームを何とかしたい-。その思いは強かった。

 16年ドラフト5位で東邦から入団した藤嶋は、一気に後輩を5人も持つことになった。右腕は「親分の指示を次のルーキーに伝えて、僕は懸け橋になる係です!」と意気揚々。藤嶋の言う「親分」とは1学年上の先輩、小笠原のことのようで…。藤嶋も入団直後から小笠原にグラウンド内外でアドバイスを受けることが多かった。着々と若い戦力はそろっている。どのように花を咲かせるのか、楽しみに待ちたいと思う。【中日担当 宮崎えり子】