DeNAが阪神からFA移籍で大和内野手(30)の獲得に成功した。

 球団の歴史上、FAで獲得するよりも放出する方が多い中で、大きな戦力補強。同じく名乗り出たオリックス、引き留める阪神との三つどもえを制した。

 高田繁GM(72)も「大和選手がきてくれて、優勝を狙うためにいい戦いができるチームになれる」と言い切るほど期待は大きい。

 入団会見に臨んだ大和は、古巣への思いと決断した理由を自らの口で語っていた。「12年間いたタイガースへの愛着の思いは強い。でもゲームに出たい気持ちと葛藤した。選手として一番輝ける時期というのは短い。そのタイミングがここだという気持ちだった。守備には自信を持ってやってきた。そこを一番評価してくれたのが、DeNAだった」。正直な気持ちを明かした。

 守備の名手だった高田GMが高く評価。FA宣言したのと同時に、獲得に動いた。会見で大和の隣に座り「内外野、どこを守ってもゴールデングラブをとれる選手。打率3割以上の価値がある」とまで言った。ゴールデングラブ賞(当時ダイヤモンドグラブ賞)を内野と外野で6度受賞した男が、ほれ込んでの補強。セカンド、ショートどちらでもスタンバイする大和は「実力でレギュラーをとりたい」と、来季ポジション争いは激化する。激しいチーム内競争の先に、頂点が見えてくる。【DeNA担当=栗田成芳】