DeNAの新人合同自主トレが、第2クールに入った。育成も含めて10人。若手の台頭が著しいDeNAに、今季も新風を吹かせるフレッシュなパワーが加わった。全選手が神奈川・横須賀市の青星寮に入寮。プロ生活スタートに一旗揚げてやろうという大志とともに、持ち込んだものは多種多様だった。

 ◆4位斎藤俊介投手(24=JX-ENEOS) 社会人時代に使われた横幅約5メートルもある横断幕を持って入寮。「いつも応援してくれていた方々のことを忘れないようにしたい!」と、部屋の壁2面に渡って貼りつけると約束。

 ◆2位神里和毅外野手(23=日本生命) 糸満高時代の同級生たちがメッセージ入りでプレゼントしてくれたスパイクを持ち込んだ。ただジャケットの両ポケットには黄金のシーサーを忍ばせていた。「金色でいいなと思って。悪いモノが入ってこないようにしたい。悪いモノ? 変な誘惑ですね」。甘い誘いに負けず、野球にすべてをささげる覚悟だ。

 ◆1位東克樹投手(22=立命大) 色紙には野望が込められていた。「頑張ればもしかしたら会えるかもしれない。そういう気持ちで頑張りたい」。大学の先輩に頼んで、女優・土屋太鳳のサイン色紙を手に入れた逸品は、東の名前入り。テレビ局ディレクターは、早くも来オフの番組企画セッティングを画策?

 ◆5位桜井周斗投手(18=日大三) U18侍ジャパンとして昨年9月にW杯に出場。投球練習用にと、投手1人1球支給された公式球は、登板機会がないまま終えた。「あの悔しさを忘れないようにしたいと思いまして」と、きれいなままの球を握りしめた。

 ◆3位阪口皓亮(18=北海) 恩師の形見のグラブだった。中学時代に所属した大正ボーイズのコーチが、昨年2月に急逝。「中学では付きっきりで練習に付き合ってもらった。北海高校にいけたのも、そのコーチのおかげ」。昨夏出場した甲子園にも持っていった。「このグラブを見ながら、1軍で活躍することが恩返しになる」。プロでの活躍を天国へ届ける。

 今季もさまざまな思いを胸にしたルーキーたちが、プロの門をたたいた。【DeNA担当 栗田成芳】