オリックスのブルペンを長年支えてきた佐藤達也氏(32)が、若くしてユニホームを脱いだ。故障や不振が重なり、プロ7年目の今季初めて1軍登板がなかった。1月1日付からは球団の広報部に配属され、サラリーマンとして第2の人生を歩むことが決まっている。球団関係者の誰もが「本当に素晴らしい人」と口をそろえるジェントルマンが、引退決断時の心境を淡々と語った。

「やっぱりプロは結果の世界でもあると思う。本心で言えば、もっと選手としてやりたいなという思いもありました。今回、球団の方からフロント入りの話をいただいていたので、ここを一つの良い区切りかなと思って、決断しました」

佐藤は大宮武蔵野高、東海大北海道、ホンダを経て11年ドラフト3位で入団。13~14年はともに67試合に登板。2年連続で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得するなど、リリーフ陣をけん引した。7年間のプロ野球人生について「少し短いような気もしますけど、プロ野球選手になれると、全然思ってもなかったので。そこに関しては幸せな7年間でしたね」と振り返った。

いつの日か「佐藤コーチ」としてグラウンドに戻ることを待ち望んでいるファンも多いだろう。指導者については「正直、イメージは全然湧かないですけど、1度経験してみるのもいいかなと。もしまたそういったお話があれば、その時にまた考えたいと思います」と前向きな姿勢を示した。

現役を引退した後も目標は変わらない。「僕が現役時代に優勝を経験できなかったので。本当にまだ右も左もわからないですけど、少しでも球団の力になれれば。それでチームとして優勝が経験できればいいかなと思います」。今年もオリックスの一員として、96年以来23年ぶりのリーグ優勝、そして日本一へ-。立場を変えても、汗を流し続けていく。【オリックス担当=古財稜明】