未来の子どもたちを思うからこそ、温かくも、厳しい言葉だった。DeNA筒香嘉智外野手(27)が14日、自身もかつて所属し、17年からは小学生の部のスーパーバイザーを務める堺ビッグボーイズの体験会に出席した。野球チームに所属していない子どもたちとの触れ合いで満面の笑みを見せるも、報道陣を前にしては一変。キリッとした表情で、胸の思いを訴えた。

筒香 昨年はスポーツ界全体で、よくない問題点が浮き彫りになりました。アメフトの悪質タックル、体操、ボクシング…。時代は明らかに違う。スポーツ界全体が変わらないといけない。子どもたちのため。変わっていく必要がある。

27歳とは思えない、堂々とした語りぶり。加えて、子どもへの真摯(しんし)な思いがあふれていた。昨年には、自らある少年野球チームの様子を見学。自分の目で子どもたちを取り巻く環境を目で確認した。「そこでは指導者の方が、指導というよりは暴言、罵声、事細かい指示が行われていました。子供たちはできないのが当たり前。なぜそれに腹を立てて怒っているのか」と語気を強めた。

野球を通じて、大きな人間に育ってほしい-。そんな純粋な思いが、終始に込められていた気がした。

筒香 小さいころから、細かいことを詰め込み過ぎると、大きいスーパースターは生まれにくいと思います。

筒香は自身のプレーで野球の魅力を届ける。子どもたちは筒香の大きな背中を見て、大好きな野球に打ち込む。その結果が、スポーツ界全体の改善につながると信じている。「また野球やりたいな」と多くの子供たちが、満面の笑みで球場を後にしていた。【栗田尚樹】

自身が所属した堺ビッグボーイズの体験会に参加し、子供たちと触れ合うDeNA筒香(撮影・栗田尚樹)
自身が所属した堺ビッグボーイズの体験会に参加し、子供たちと触れ合うDeNA筒香(撮影・栗田尚樹)