楽天屈指の体格を誇る宋家豪投手(26)が、ベンチ裏でかしこまっていた。1日に台北で行われた台湾・ラミゴとの親善試合前のひと幕。スーツ姿の男性が親しげに肩をたたく。中日で活躍した郭源治氏(62)だった。「英雄、レジェンドですよ!」。そばで見守るリン・ガクケン通訳も少し興奮していた。

2人からにじんだ絆の強さ。台湾球界から日本に挑戦したパイオニアへの畏敬の念だけではない。「郭源治さんと宋くんは、同じアミ族なんですよ」(リン通訳)。少数民族で先住民族という2人のルーツも関係していた。故郷での再会に宋は「源治さんは憧れの存在であり、目標です」とキラキラした目で言った。

「100勝100セーブは、ちょっと難しいかなあ」と大先輩が達成した金字塔について苦笑した後で「でも…」と続ける。「源治さんに言われたんです。『セットアッパーに定着して、100ホールドポイントを目指せ』と」。17年8月に育成から支配下契約を勝ち取り、ここまで2シーズンで14ホールドポイント。今はまだはるかな目標でも、レジェンドに続く節目の数字を刻む日まで右腕を振る覚悟だ。【楽天担当 亀山泰宏】