ベンチで笑顔のラミレス監督(2019年3月2日撮影)
ベンチで笑顔のラミレス監督(2019年3月2日撮影)

DeNAラミレス監督は、ニヤニヤしていた。報道陣に囲まれた場所は、ナゴヤ球場の一塁側にあるバント練習のスペース。そして問いかけた。「みなさんの中で、野球をやっていた人はいますか? バントは得意でしたか?」。野球経験のない記者にとって、130~150キロの速球を…。まして、あんな小さいボールを…。バットに当てるなんて…。そんな風に聞いていた。

ある記者が「やっていました。バントは難しい」と答えると、ラミレス監督はさらに笑顔になった。「そう。すごくバントは難しい。簡単そうに見えるけど、すごく難しい」と話した。そして、現役時代の話を思い返した。「ヤクルトの1年目の時。ランナーが2人いて、バントのサインが出た。でも初球を失敗して。当時は若松監督。それを見てサインを変更して、結果的に3ランを打ったから良かったんだけど」と懐かしんだ。

多くの人が、ミスをしたことにとらわれがちだが、ラミレス監督は違う。もちろん記者は前者だが…。一流だからこそ、成せる技術だと思う。失敗を引きずらない-。簡単ではないが、前を見て、後ろは“あまり”振り返らず、歩こうと思った。【DeNA担当 栗田尚樹】

×印を示すDeNAラミレス監督(2019年2月20日撮影)
×印を示すDeNAラミレス監督(2019年2月20日撮影)