<ダイヤモンドバックス1-9カブス>◇27日(日本時間28日)◇チェースフィールド

4月上旬、ダルビッシュ有投手が投球を競馬に例えた。「競走馬を走らせるじゃないですか。何もない状態で走るのと、何かを着せて走るのとでは、スピードは同じに見えても馬が感じるストレスは違うと思うんです」。15年3月に右肘手術を受けてから「フォームはしっくりくるようなものがない」。時に周囲から復調を評価されても、馬具装着中のような違和感が消えない、という意味かと認識した。

日々投球映像を解析し、感覚をノートに書き留め、今も試行錯誤の真っただ中。この日は2回2死一、二塁で2番エスコバルからスプリットで空振り三振を奪った際、「上から下に思いきりたたきつける」納得のいく形にたどり着いた。3回は3者連続三振。91球を投げていた6回表には代打を送られないように「ちょっと怒ったような顔で」立ち振る舞った。「明日がまた楽しみかな」。その手応えとともに“馬具”を外す日が近いことを、誰もが願っている。【佐井陽介】