オリックス吉田正尚外野手(26)が、都内の東京医歯大で自主トレを公開し、04年アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダリストで同大学教授の室伏広治氏(45)の指導下でトレーニングした。

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練習を見ていた私は室伏氏にハンマーを渡され、恐る恐る「エアハンマートレ」を体験した。まず左肘を引き抜き、次に右手を上げていく。重さ約5キロを振り下ろすと悲鳴が出た。「うわぁ! 痛い…!」。ピタッと止めた瞬間に左腰と右腕にグッと力が入る。動作を遅くするほど筋肉が燃える感じがした。笑って拍手をくれた吉田正は倍の10キロのハンマーだ。腰を据えて息を吐きゆっくり上げ下げを繰り返す。軸がドシッとして全くぶれない。

競技の枠を超えた「異種目トレ」では体の動作、筋肉を使う順番を学んでいく。室伏氏は「違う分野を極めている人の話を聞いて取り組むのもいいこと。お互い吸収できる」。エアーハンマートレについては「全身の筋肉を使える。手順が大事。どこを鍛えているのか考えて動ける」と説明した。最後にお礼を伝えると「筋肉痛になったら教えてね!」。室伏さん、すでにキーボードを打つ腕がぷるぷる震えています…。【オリックス担当=真柴健】