<練習試合:ソフトバンク4-5広島>◇13日◇ペイペイドーム
かつて「王シフト」と呼ばれた極端な守備体形があった。ソフトバンク王球団会長の現役時代、アーチ量産に苦慮した広島白石監督の発案だったと記憶している。今も強打者に対してしばしば、「○○シフト」と称して内外野守備陣を打者の打球データに合わせて左右に寄せる姿を目にする。
「ボクはね、(王シフトで)一、二塁間が狭くなれば、じゃあ、その間を抜けばいいんだろう。その狭くなったところを抜いてやるぞ、と思って打席に入っていたよ。逆方向? それは考えなかったよ。狭くても強い当たりを打てばいいんだから」。
王さんに、シフト対策を尋ねたらこんな答えが返ってきた。打撃スタイルを変えることなく、かたくなに強く引っ張ることを貫いたという。それまでやってこなかった打ち方で、守備陣が手薄になる左方向を狙わせようという「王シフト」のもくろみは、成功しなかったと言っていい。868本塁打という目のくらむような大金字塔を打ち立てた「打撃哲学」は、簡単に崩れなかったわけだ。
「打撃フォーム」に限った話ではないだろう。不気味なウイルスの影響で遅れに遅れたが、ようやくプロ野球も「開幕の日」がやってくる。各チームは総仕上げで今季の「戦いの型」を模索している。ホークスも東浜を先陣に開幕ローテの6人が確定した。ただ、野手陣に目を向けると、この日の試合でも「本番モード」の広島とは対照的に、各バリエーションを模索しているようでもある。分厚い戦力ゆえの悩み? とも取れるが、一方で「戦いのフォーム」が定まらないようにも見える。練習試合は残り1試合。「ホークス2020年型」はどう着地し、発進するのだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】




