<ソフトバンク2-3楽天>◇20日◇ペイペイドーム

「暑さ寒さも彼岸まで」とは本当によく言ったもので、福岡の街も朝夕はめっきり涼しくなった。激暑の夏がうそのようで、何とも過ごしやすい。そんな気候に歩調を合わせる必要はないのだが、ソフトバンクの戦いも少しばかり熱気が薄れた。3位楽天に僅差で連敗。ホークスの点差別の勝敗は1点差が13勝14敗。2点差以上となるとすべて勝ち越しているが、どうも今季は緊迫した戦いに弱いようだ。

9回裏。先頭松田宣が空振り三振に倒れてから4連打。この日、上林に代わって昇格した釜元の適時打で1点差に詰め寄ったが、後続が倒れ、サヨナラ勝ちのドラマは生まれなかった。

試合前。シートノックに合わせ、一塁側ベンチに15日夜に急逝した川村隆史3軍コンディショニング担当のホーム用ユニホームがかけられた。選手会長の中村晃が中心となって球団に提案。「恩人」とVロードを駆け抜けたい、そんな思いを胸に、ホークスナインは新たな戦いに気持ちを高めた。今後はビジターを含め、残り全試合で川村担当の背番号「01」のユニホームもベンチ入りする。

「(川村担当が)今までやってきたことをみんな忘れないでほしい。見ていてほしいという思いがある。打席に向かうときは(川村担当に)行ってきます、という気持ちが大事。天国で喜んでくれるんじゃないかと思う」。工藤監督はそう話した。3年ぶりのリーグV、そして4年連続日本一へ。「恩人」に恥ずかしい戦いは見せられない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

9月18日ソフトバンク対楽天 試合前、ビジョンに映し出された川村さん
9月18日ソフトバンク対楽天 試合前、ビジョンに映し出された川村さん