ソフトバンクが見事に4年連続日本一に輝いた。3年ぶりのリーグ優勝からポストシーズン無敗で駆け抜けた。強かった。選手は全力を出し切った。その力を発揮したのは選手本人ではあるが、そこにたどりつくまでの「裏方」の存在も忘れてはいけない。
1年を通して、打撃練習中のケージ後方では、打撃コーチらが選手を見守る。今年から就任した平石打撃兼野手総合コーチに加え、立花打撃コーチ、金コーチングアドバイザー。この3人が所狭しと選手を見守り、指導し、激励した。今年、快足だけではなく打撃力もアップした周東も、キャンプから「金コーチからの指導が生きた」「平石コーチのアドバイスは参考になった」と口にして50盗塁の盗塁王を実現した。平石コーチはシーズン中、こう分析していた。
平石コーチ 足が速い選手はどうしても内野ゴロを打ちに行ってしまう。それで内野安打がとれるからだが、それではヒットは打てない。ゴロを打つ意識が強いと軸足となる左足が完全にまわりきれず、止まってしまう。軸足が完全に回転するように振り切れと言っている。
周東はシーズン中、打席に入る直前、左足をクルッと最後まで回すことを意識して素振りを繰り返していた。
周東と並び、ブレークしたのは栗原だ。日本シリーズでは打率5割でMVPも獲得した。立花コーチにシーズン中に打てない時期があった時に口にしていたのが「あいつはテークバックでヘッドが頭の後ろにいくとだめで、ヘッドがヘルメットの前に行くときがいい時。それをしっかり見て、チェックしている」。プロ6年目でシーズンを通して活躍するためには、やはりコーチの目は必要なのだ。
ベテラン、中堅、若手。コーチもそれぞれに指導方法を分け、静かに見つめている。悪くなれば指摘する。それだけでも全然違う。来季は小久保ヘッドコーチが加わり、またひとつチェックの目が増える。キャンプからシーズン中と、今年も打撃ケージ裏でたくさんの目が光ることだろう。その光景は間違いなく日本一5連覇へとつながると確信している。【ソフトバンク担当・浦田由紀夫】




