4月14日のオリックス戦(ペイペイドーム)で、ソフトバンク和田毅投手(40)が球団史に名を刻んだ。7回途中を無失点で今季初勝利。球団では01年の長冨以来、20年ぶり3人目となる40代投手の白星だった。不惑のシーズンを戦う姿に、父雅之さん(68)も「よくここまで来たなという感じですね」と誇らしげだった。

同戦の登板前日、和田はいつもと変わらない口調で話していた。「しっかり真っすぐを投げられる、抑え込めるボールじゃないと勝負できない」。直球で勝負する気持ちを持ち続け、最速145キロのストレートを軸にオリックス打線を封じた。そのスタイルは若かりし頃から変わらない。雅之さんは「若い時から『真っすぐは基本だ』ってずっと言っていました。今でもそれは変わらないですね」と目を細めた。

雅之さんは息子が登板するときは、今でもテレビで応援し続ける。ロッテとの開幕3連戦は本拠地ペイペイドームで現地観戦した。3戦目に先発した息子を見て「体の調子はいいな」と遠目から見守った。「もう40ですから、いつまで投げられるか分からない。1日1日という感じで、投げてほしいです」。

ここ数年は左肩に不安を抱えながら投げていた和田。父から体の状態を気にかけてもらっても「大丈夫だよ」と一言で安心させた。40歳の親孝行は、まだこれからだ。【ソフトバンク担当=只松憲】