6月8日広島戦の試合前。ソフトバンク工藤公康監督(58)が、珍しく感情をあらわにした。

話題は7日に2軍降格となった上林誠知外野手(25)のこと。直近11打席連続無安打だった上林に、工藤監督はこんな言葉をかけたという。

工藤監督 必ず帰ってこい。レギュラーを取る人間じゃないのか? 途中から出るような選手ではない。とことんやれ。「よくも2軍に落としたな」と思って「よっしゃ、見てろよ」と思う気持ちがないとだめ。次に上がってくるのを期待してる。

25歳の若鷹には、厳しい言葉だったかもしれない。それでも指揮官は、上林の逆襲を信じ、2軍へ落とした。

25試合で打率1割9分6厘、2本塁打、11打点。不振の原因を、指揮官は「(体の)下と上が一緒に動いてしまう。ためとか、ひねりが使えていない。どうしても打ちにいくときに、右肩が上がって左肩が落ちてしまうので、バットが下からしか出てこないので速い球に対応できない。低い球に関しては対応できるけど、落ちる球には反応できない」と説明した。

打撃フォームの見直し、柔軟性の重要さを説いたという。

開幕も栗原との外野手争いの末、2軍スタートだった。その時も工藤監督は「彼はレギュラーとして出ての選手。ベンチにいて戦力として考えれば代打、代走や守備固めで出ることになる。小さくなってほしくない」と話し、1軍メンバーから外した。今回の2軍降格も同じ。上林が真のレギュラーになるための通過点にすることを、監督は信じている。【ソフトバンク担当 只松憲】