中日は来季から立浪和義新監督(52)が指揮を執ることになった。掲げたリーグ優勝を果たせなかった与田剛監督(55)はユニホームを脱いだ。すでに来季の1軍コーチングスタッフは発表。荒木コーチ以外は退任する。

退任するある首脳陣は、「いままでの経験で、次のスタッフへの引き継ぎはなかった。今回も、そういう話し合いをするとは聞いていない」と話した。サラリーマンの世界では、業務の引き継ぎなどが通常はある。勝負の世界の慣例だから? 数球団の政権交代を取材してきた先輩記者も疑問に思っていた。

私が事業部に配属されていた当時、イベントの予算書と決算書を数年続けて見比べれば、長所と短所はある程度見えた。それでも直接担当者から意図や計画をリサーチすれば、次なる戦略が開けた。成功しなかったイベントからも、次への材料は得られた。

今季の中日は打線の不振はあったが、両リーグトップの防御率3・22。先発、中継ぎともに、圧倒的な安定感を見せた。広いバンテリンドームを本拠地にしている利点もあるかもしれない。柳、大野雄、小笠原が今年は規定投球回に到達。中日で3先発が規定投球回に名前を並べるのは11年のリーグ制覇時以来、10年ぶりになる。もちろん攻撃力を伸ばせなかった負の側面もV逸の大きな要因だ。

球団職員やスコアラー、トレーナーらも新政権で業務を引き継いでいく。球団に蓄積された数字やデータを見れば、読み取れるものもあるのだろう。だが直接話してこそ、分かることもある。互いの知識をくみ取る機会は、マイナスになることはないと思う。【中日担当=伊東大介】