日刊スポーツコムの「プロ野球番記者コラム」という欄で先日、「初のプロ野球取材、楽天涌井秀章のキャッチャーミット姿に驚かされた」と見出しが付いた原稿を書かせていただいた。

初のプロ野球取材、楽天涌井秀章のキャッチャーミット姿に驚かされた

だが、もっと驚くとともに、感謝を伝えなくてはいけないことがあった。

前のコラムは、涌井秀章投手(35)がキャッチボールやノックで、キャッチャーミットを使っていた姿について記したもの。ただ、「なぜ」という理由にたどり着けなかった。いわば、不完全な原稿で、記者としては“失格”だった。すると、記事がアップされた10日の午後、涌井投手が自身のツイッターで疑問に対する“回答”をつづってくれたのだ。

「答えましょう

遡るとこれは西武の時に帆足さんというナチュラルムービングボールの人とキャッチボールをしていて、普通のグローブでやると突き指をしてしまうと思いキャッチャーミットを使い始めたのですよ」

「ロッテでも数々の速球ピッチャーとキャッチボールをし、昨年、今年と則本、松井とやると遠慮なく豪速球を投げてくるわけ。

1番の理由は手が痛いから、2番目の理由はグラブの重さでバランスを取る」

(一部抜粋)

これは読者の方に紹介しなくてはならないことであると思い、今、パソコンを手にしている。歴史の連なりと同時に、「グラブの重さでバランスを取る」という言葉に詰まるプロたる姿にもあらためて驚く。

記者は11月にスポーツ担当から野球担当に異動したばかりで、まだ野球内での正式な担当もなく、さまざまな現場で勉強中の立場。もちろん、涌井投手ともこれまで接点はない。一方的に当時中学3年だった記者が、横浜-神奈川工との04年夏の高校野球神奈川大会決勝を見に行った時、全国屈指の名門エースが放つ、糸を引くような快速球に心を奪われた過去はあるが…。

本来なら直接、感謝を伝えたいが、コロナ禍では困難な部分も多い。状況が落ち着けば直接、お礼を申し上げ、また深く神髄を聞いてもみたい。まずは、この場を借りて、お礼を伝えさせてください。

涌井投手。誠にありがとうございました。【上田悠太】