11月中旬から始まった広島の契約更改交渉も、レギュラークラスの交渉も始まっている。

11月29日は小園、林。翌30日は島内、塹江、栗林と、同学年選手の同日更改が2日続いた。

担当者に聞けば、小園と林は「同じような形で出てきてくれたから同じ日に」と意図したものだという。球団としては3連覇時、攻撃のけん引役を担った田中広、菊池涼、丸(巨人)のタナキクマルトリオのように、同学年で切磋琢磨(せっさたくま)し、2人が新たなけん引役となることを期待しているのだろう。

30日の3投手については「本当に偶然。栗林と話をしている中で気付いたくらいだから」と担当者はいう。ただ、そんな偶然が、佐々岡監督が選手たちに求める競争意識に油を注いだように感じられた。ともに51試合に登板した島内と塹江は栗林につなぐセットアッパーを争う立場にある。シーズン途中からセットアッパーとなった島内が「ことし8回を投げたので、来年も目指したい」と言えば、塹江も「中継ぎをやっているからには、8回ってところを勝ち取れるように準備していくつもりです」とバリバリに意識した。

同日に入団2年目の年俸では球団最高額で更改し、同学年のトップランナーとなった栗林の存在も大きいだろう。同学年同士の関係は特別なものがある。田中広にキクマルコンビがいたように、九里に大瀬良がいたように、島内と塹江には、栗林がいる。刺激し合える関係を築くことができれば、「96年組トリオ」の勝ちパターンも見られるかもしれない。【広島担当 前原淳】

「来季は本塁打20本」と宣言した広島林。目指すのは鯉の主砲だ(2021年11月29日撮影)
「来季は本塁打20本」と宣言した広島林。目指すのは鯉の主砲だ(2021年11月29日撮影)