日本ハムの2軍本拠地、千葉・鎌ケ谷で自立心あふれる新旧ドラ1右腕が共鳴していた。

将来のメジャー志望を公言する21年ドラフト1位達孝太投手(17=天理)と20年ドラフト1位伊藤大海投手(24)。達は鎌ケ谷での新人合同自主トレ中、同時間帯に行われていた伊藤のキャッチボールに目を奪われた。

達 大海さんのキャッチボールを見させてもらって、すごい“なめらか”に投げているなという印象がありました。力感のないフォームから力強いボールを投げるという部分での自分のイメージが、大海さんのキャッチボールには感じる部分がありました。

達はすぐに気づきを知識に変えた。1月中旬に「気になって、大海さんに聞きました」。勇翔寮で伊藤の部屋のドアをノックした。探求心をぶつけられた先輩は、後輩の部屋に足を運んで質問に丁寧に答えてくれた。達は「自分の部屋に来てもらって結構、話をさせてらいました」と、感謝した。

話の詳細は「それは秘密です」と伏せた達だが、成長へのヒントをつかめたのは確かだ。「そういうイメージを持ちながらやっていこうかなと自分の中では思っています」。

周囲の輪から離れてキャッチボール前のストレッチやエクササイズなど意図的に独自調整を行う達の姿は、1年前に能動的に動いていた伊藤の姿と似ている。ともに己を貫ける芯の強さを持つ。同じチームの中で2人がどのように高め合っていくのか、楽しみだ。【日本ハム担当=木下大輔】