<ソフトバンク4-0西武>◇2日◇ペイペイドーム

ソフトバンクが西武との首位攻防3連戦の第1ラウンドで先手を取った。

5回に飛び出した今宮の先制4号ソロ。先頭打者で見事に低めの直球を仕留めた打撃は素晴らしかった。チーム31イニングぶりの得点は勝利の「号砲」となった。思わぬ1発と言ったら今宮に失礼かもしれないが、チームは長い0行進のトンネルを抜けると手堅く攻めて完勝した。

やはり緊迫戦は「バント」がカギを握る。6、7回に挙げた3得点は、2つの犠打で着実に走者を進め生還させたものだった。6回、先頭の三森が内野安打で出塁。続く増田は、投前に送りバントを決めた。2死三塁となって4番デスパイネが左前タイムリー。続く7回は、柳田の四球とガルビスの右前打で無死一、二塁とし、8番正木がきっちり三塁側へ転がした。1死二、三塁とし、敵失と三森のタイムリーで2人の走者を迎え入れた。

試合前練習。一塁側に設置されたマシンを相手に黙々とバント練習する増田と正木の姿があった。付き添った本多内野守備走塁コーチは正木にバントの構え方からボールの見逃し方など、適切にアドバイスを送っていた。備えあれば憂いなし、ではないが、あらためて2人は準備の大切さを感じたのではないだろうか。

正木は3連敗のスタートとなった8月29日のロッテ戦(京セラドーム大阪)の8回無死一塁の反撃機に送りバントを失敗していた。この日、ヒットは放てなかったが、首位攻防初戦でダメ押しともいえる2得点につながる犠打を成功させ、少しばかりは安堵(あんど)したのではないだろうか。

残り25試合での厳しいV争い。日に日に重圧の増す戦いでは「確実性」がさらに求められるのだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対西武 7回裏ソフトバンク無死一、二塁、正木智也は犠打を決める(撮影・屋方直哉)
ソフトバンク対西武 7回裏ソフトバンク無死一、二塁、正木智也は犠打を決める(撮影・屋方直哉)